OUR SCIENCE, TECHNOLOGY & APPROACH


株式会社Otolinkは、慶應義塾大学医学部発のバイオベンチャーです。 慶應義塾が有する、内耳領域でのヒトiPS細胞を用いた技術と、補聴器診療および耳鳴診療における豊富な臨床実績を用いて、難聴や耳鳴をはじめとした聴覚障害にアプローチしていきます。


霊長類をベースにした創薬研究を
医学領域の多くの研究(基礎研究)では、齧歯類(ネズミ)を用いて進めるため、ヒトを含む霊長類に特化した現象が、創薬の初期段階で見落とされてしまう可能性があります。私たちはこの部分を見直し、研究開発の根幹にかならず(ヒト細胞を含む)霊長類での研究を加味しています。


ヒトiPS創薬による難聴・めまい治療法の開発
2009年に山中らが報告したヒトiPS細胞作成の技術により、私たち人類は、目の前の人間の体内のあらゆる細胞を作成し、使えるようになりました。 慶應義塾大学医学部は私学唯一のiPS拠点として2013年からヒトiPS細胞研究を開始し、ヒトiPS細胞から高純度かつ高効率に多量の内耳幹細胞を誘導する方法を確立しています(日本国特許6218152号)。さらにこの手法を用いて遺伝性の希少難治性内耳障害に対して治療薬を同定し、医師主導治験を進めています(Pendred症候群に対する少量シロリムス試験 )。


難聴・耳鳴の効果的な治療法の開発と普及
難聴の最も効果的な医療的介入は補聴器です。正しく調整し、聴こえの脳をトレーニングすることによってその効果を発揮します。しかし、本邦では適切な調整やトレーニングが行われないケースが多く、先進諸国に比べユーザー満足度が極めて低いのが現状です(わずか38%) 。私たちは豊富な臨床経験・データに基づき、「宇都宮方式聴覚リハビリテーション™(新田聴リハ™メソッド)」を開発し、実績を積んできました。さらに難聴から生じる「耳鳴り」も適切な治療法で改善できることを実証しました。これら臨床実績をもとに、補聴器フィッティングソフトやトレーニングアプリ、新たな処方式、さらに耳鳴り治療アプリを開発し、社会実装を目指します。